Democratic People's Republic of Korea
水害に関する人道状況

概要

台風10号（英名：Lionlock）による大雨で、朝鮮半島北東部で発生した洪水は、数万の人々の住む場所を奪い、住宅、建造物、その他の重要インフラなどを破壊した。豆満江の氾濫個所は、咸鏡北道(ハンギョンプクド)の茂山(ムサン)、延社(ヨンサ)各郡、会寧(フェリョン)市に甚大な被害を及ぼした。延社郡に隣接する両江道(リャンガンド)においても被害が発生していることが予想されるが、これらの地区の情報は十分に得られていない。

朝鮮政府はこの洪水により、133名が死亡、395名が行方不明となっていると発表している。35,500戸以上の住宅が被害を受け、うち69％の住宅が全壊、加えて学校、公共施設を含む8,700以上の建物が被害を受けた。約16,000ヘクタールの農地が水に浸かった。公式資料およびアセスメント評価によると、少なくとも140,000人が緊急支援を必要としており、そのうち100,000人が水の供給システムの不通により被害を受けている。もっとも甚大な被害を受けた茂山、延社の各郡は、いまだ孤立している状態にある。

9月6〜9日にかけて、国連各機関、朝鮮赤十字会、国際赤十字連盟、国際NGOを含む共同ニーズ調査が政府主導で行われた。調査チームは、会寧市とその周辺の村々を含む被害が甚大であったいくつかの地区を視察したものの、茂山郡、延社郡にはアクセスできなかった。調査ならびに政府との協議の結果、シェルター、食糧、保健、水と衛生が喫緊に必要なことが示された。

人道支援機関は国内にある備蓄から、食糧、栄養補助食品、シェルター、台所用品、水質の浄化と衛生物資、緊急保健物資と教育物資を含む基礎物資を供出した。

政府は被災地へのアクセス向上のために、道路の復旧工事を緊急でおこなっており、緊急物資と建築資材の分配を行っている。また、冬が訪れる前の10月初旬までに緊急の再建を必要とする20,000戸の住居の選定を人道支援機関とともに行った。